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核と春の統一地方選とG7広島サミットキャラバンで、安芸高田市を訪問しました

3月20日、「カクワカ広島×議員ウォッチ 広島キャラバン」で、安芸高田市を訪れて市議会議員の南澤克彦さん、田邊介三さん、インターンの中野さんと対話しました。カクワカ広島からは、安彦恵里香・岡島由奈・高橋悠太が参加しました。

 

最初に高橋から、キャラバンの経緯と各地の様子をお伝えしました。続いて安彦から、カクワカ広島の活動について説明した後、岡島が実施中のG7広島サミットに関するオンライン署名についてご紹介しました。加えて、高橋がサミットではG7各国の結束で終わることなく、西側諸国が全ての国の核保有を否定する立場に立てるかがポイントであること、また、日本が核兵器禁止条約に署名・批准することは今すぐには無理でも、中長期的に可能で、その実現を地方議会からもサポートすべきだと思う、というお話をしました。

 

カクワカからの紹介の後、南澤さんは「安芸高田市にも被爆者が住んでいて、近くの公園に慰霊碑もある。私自身も核兵器は使うべきではないと考えている」と地元の状況を紹介しました。一方で、「使うべきでないのは『あらゆる兵器』であると思うが、なぜ核兵器について活動しているのか?」と問われました。これについて、高橋からは「区別している気はなく、様々な兵器・課題がある中で、緊急性が高くて、広島に生まれて、核問題を考えるきっかけがあったから」、安彦から「無差別大量破壊兵器が存在している状態から脱却すべきだから」、岡島から「核兵器使用により、その後も差別に苦しみ、子供や孫の世代まで影響が続くものであるから」と答えました。

 

さらに南澤さんより「目指す方向は同じだが、現状、核兵器禁止条約にすぐに日本が参加するのは難しいと思う。だからこそ、カクワカが面会した議員を “核兵器禁止条約に賛成か反対か” で表記することは、敵と味方に分けているように見える」、田邊さんより「核兵器のない世界=平和な世界ではない。何をゴールとするのか、という問題。武器を無くす必要があるから、核兵器だけにフォーカスすべきではないのでは」とリアクションがありました。

前者について岡島は「敵・味方に分けているわけではなくて、あくまで可視化が目的。市民の立場に立ったら、議員がどういう考えなのか知りたいと思う」と答えました。また後者について安彦は「もちろん争いのない世界が重要だが、そのためにはステップがある。世界の潮流的に、今、核軍縮の議論が進んでいる」と述べました。

また、高橋より「核兵器禁止条約について賛成か反対かは尋ねるが、最も聞きたいのは『どういう状況であれば、条約に参加できるのか、その障壁は何か?』ということ」と答えました。南澤さんからは「その意図はわかった。ただ外部から、反対・賛成と(二元論で示しているように)レッテルを貼られることもある」とリアクションがありました。

その話の中で、日本の安全保障の問題、特に核の抑止が機能しているか、という議論になりました。田邊さんが「そもそもアメリカの核の傘は、効力があるのか?よくわからない」と率直に疑問を投げかけました。それに対して、高橋から、「通常兵器による戦争は核兵器では抑止できないこと」、「1950年代以降、秘密裏の核兵器の持ち込みが状態化して、核抑止体制と呼ばれるようになったこと」などを話し、核抑止は幻想では?と答えました。これについては南澤さん、田邊さんも納得の様子でした。

 

さらに、カクワカから、各地で「日本に核兵器禁止条約に署名・批准すべき」と求める意見書が出されている事例を伝え、地方議会から核兵器について意思表示してほしい、と投げかけました。具体的には、「2017年に安芸高田市から意見書が採択されているが、その後締約国会議も、ウクライナ侵攻もあった。出しっぱなしではもったいないから、アップデートなども必要」とお話しました。

インターンの中野さんは「安芸高田では核問題の優先順位は残念ながら低い。より身近な地域の問題があって、核問題にリソースが割けない」とおっしゃっていました。「リソースがないとはどういうことですか?」と尋ねると、「様々な市民らの話を聞くことには時間がかかるし、人手も多くはない。議員が忙しい、とインターンをして、よく感じる」と言われていました。

田邊さんは「私は核兵器禁止条約に日本が参加すべきだと思う。ただ、(安芸高田市の議員や議会が)具体的な意思表示をする、というよりも、他の議員の質を上げていったり、有権者がもっと知ることのほうが重要。そして、誰を選ぶべきなのか、有権者が熟慮していくしかない。候補者全員を集めての公開討論会をやったらいいと思う」と話され、南澤さんも同調していました。

 

全部で約2時間、意見交換しました。核兵器の問題は全ての人に関係があり、一人ひとりにできることがあるのだと実感しながら私たちは動いていますが、様々な立場で、それを認識して、行動に移すことの難しさを感じた面会でした。ただ、その認識を広げることが重要だと思うので、キャラバンを継続したいと思います。

 

受け入れてくださる方がいらっしゃったら、カクワカまでご連絡ください!