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核と春の統一地方選とG7広島サミットキャラバンで、庄原市を訪問しました

3月21日、「カクワカ広島×議員ウォッチ 広島キャラバン」で庄原市を訪ねました。市議会議員の松本みのりさんが受け入れをしてくださって、同じく市議の五島誠さん、藤木百合子さん、堀井秀昭さん、前田智永さんと対話しました。カクワカ広島からは高橋悠太と岡島由奈、議員ウォッチからは大学生の倉本芽美さんが参加しました。

最初に高橋から、カクワカ広島の活動内容の紹介と現在の核兵器問題に関する説明を行いました。日本では、原爆投下の歴史を元に核の問題を「過去から現在」へと見てしまいがちですが、マーシャル諸島や核実験被害コミュニケーでは「一度核兵器が使われたら私たちはこの地球に住めない」と訴えていること、彼らの訴えは、「未来から現在」見つめる視点で、日本には両方の視座が必要と伝えました。

続いて倉本さんより、滋賀県や大阪府などに訪問した「議員ウォッチ47」の各地の様子を紹介しました。三重県では市民が望んで行動しているにも関わらず意見書が採択されていない実情などを伝えました。「自分の足でその場所へ行き、対話を重ねることが必要」と強調しました。
47のリンク https://giinwatch.jp/news/150/

また、岡島より現在実施中のG7広島サミットに関するオンライン署名についてご紹介しました。「被爆者の方がご存命の間に、各国の首脳が広島へ一堂に会するのはこれが最後。痛みや苦しみを知る当事者の声を必ず聞いてほしい」と訴えました。

講演後、堀木さんが自分たち議員にできることは「地方議会として意見をまとめ、国の行政へモノを言うこと」だとコメントしました。
庄原市では核兵器禁止条約に関する意見書が何度も提出されています。2017年3月と9月、2018年3月です。直近では、2021年12月に、「核兵器禁止条約への署名と批准を求める意見書」という内容の意見書採択がなされています。
前田さんらは議員になった直後に、この意見書採択の呼びかけを担いました。「『署名・批准』を求めることはなんとしても譲れないポイントだった」と教えてくださいました。この意見書は「核兵器禁止条約への署名・批准を求める」という文言を入れることに最後までこだわり、最終的に公明党系の議員1名が「党の考えと合致しない」等の理由で反対したものの、庄原市議会で採択されました。

また、五島さんは庄原で育ち、「大事な問題と認識しているが、みなさんほどはアイデンティティに核廃絶はない...。そこまで行動するモチベーションは何か?」と問われました。高橋は「自分自身がこの問題に携わり始めた当初、2013年には『核兵器禁止条約』なんて国際法はなかった。でも今はある。社会は確実に変わるという感触があるから」だと答えました。

さらに、藤木さんは広島市で看護師として働いていた時に原爆で家族全員を亡くした患者さんと出会ったことが核兵器廃絶への思いを強くするきっかけとなったことをご紹介されました。庄原市内で、広島県の基町高校の美術コース生が描いた原爆の絵の展示も企画されているそうです。

その後、堀木さんより「核兵器だけではなくあらゆる兵器を禁止・廃絶すべきではないか」という投げかけがされると、藤木さんが「でも兵器の究極をたどると『核兵器』に行き着くのではないか」とお話され、高橋からは「核兵器に反対することが全ての兵器に反対することに繋がる」と答えました。松本さんが「広島が核兵器ばかりを語るのは、エゴだと思う」とお話されると、高橋は「私もそう思う。戦争の帰結としての原爆投下という視点を持たないと、次の原爆投下を止められない」と答えました。主権者教育の必要性などのお話も上がり、岡島は「ただ単調に授業をしても、生徒のみんなは爆睡してしまうだけ。政治を自分ごととして感じてもらえるように話す側が工夫する必要があると思う」と話しました。

話が盛り上がっていく中で、堀木さんが「過ちを犯すのも止めるのも議員。君たちも議員にならないか」と発言されると、倉本さんは「私は議員になったら自分の意志が揺らいでしまうと思う。私は私らしく自分の意見を言える人でありたい」とお答えしていました。

 終始和やかな雰囲気で、笑いの絶えない2時間でした。どの議員さんも熱いパッションと行動力をお持ちで、対話しながら私たちも勇気をもらいました。広島キャラバンはこれで終了となりますが、議員さんとの面会は続けていきたいと思います。これまで受け入れてくださった方々、本当にありがとうございました。